仮想通貨業者から補償金の支払いを受けた場合の取り扱いについて国税庁HPのタックスアンサーに公開されました。

国税庁HPタックスアンサー
NEMの不正送金があり、約26万人の方に補償金が支払われましたがその補償金の税金上の取り扱いが国税庁HPのタックスアンサーで公開されました。
No.1525 仮想通貨交換業者から仮想通貨に代えて金銭の補償を受けた場合
[平成30年4月1日現在法令等]問
仮想通貨を預けていた仮想通貨交換業者が不正送信被害に遭い、預かった仮想通貨を返還することができなくなったとして、日本円による補償金の支払を受けました。
この補償金の額は、預けていた仮想通貨の保有数量に対して、返還できなくなった時点での価額等を基に算出した1単位当たりの仮想通貨の価額を乗じた金額となっています。
この補償金は、損害賠償金として非課税所得に該当しますか。答
一般的に、損害賠償金として支払われる金銭であっても、本来所得となるべきもの又は得べかりし利益を喪失した場合にこれが賠償されるときは、非課税にならないものとされています。
ご質問の課税関係については、顧客と仮想通貨交換業者の契約内容やその補償金の性質などを総合勘案して判断することになりますが、一般的に、顧客から預かった仮想通貨を返還できない場合に支払われる補償金は、返還できなくなった仮想通貨に代えて支払われる金銭であり、その補償金と同額で仮想通貨を売却したことにより金銭を得たのと同一の結果となることから、本来所得となるべきもの又は得られたであろう利益を喪失した部分が含まれているものと考えられます。
したがって、ご質問の補償金は、非課税となる損害賠償金には該当せず、雑所得として課税の対象となります。
なお、補償金の計算の基礎となった1単位当たりの仮想通貨の価額がもともとの取得単価よりも低額である場合には、雑所得の金額の計算上、損失が生じることになりますので、その場合には、その損失を他の雑所得の金額と通算することができます。(所法35、36)
仮想通貨不正送金の補償金は雑所得として課税
身体の傷害や心身の損害を原因に受け取るものなどの補償金は通常所得税法上非課税となります。
しかし、今回の仮想通貨の不正送金による補償金は、補償金をもらうということが補償金と同じ額で仮想通貨を売って利益を得ることと同じ結果になると捉え、「非課税となる損害賠償金には該当せず、雑所得として課税の対象となります」との見解になりました。
売るつもりもない人が、勝手に「売った」扱いにされて課税されてしまうこととなるので本意ではないと思いますが取得価額との差額にプラスが生じていれば課税となってしまいます。
反対に取得価額よりも低い価額で保障してもらった場合には他の雑所得と損益通算できますので注意してください。
NEMの流出事件により、金融庁の監視が強化されることになり利用者保護の意味合いが強くなりました。こういう事件があると不安がなくなるには時間がかかると思いますが、今回の事件によりこれから一層強化されていくはずです。
仮想通貨が一般的になる日が来るかどうかはわかりませんが、個人間送金が簡単にできる点などは個人的には悪い印象は受けていません。
今後ますます普及していって仮想通貨での支払いができるお店がたくさん増えるなどより身近な存在になるといいなと思っています。